「大学3年から卒業までの2年間、有給インターンで営業やカスタマーサポートの仕事をしていました。実は卒業後もそこに就職が決まっており、大学で単位を取り終わった後は1日8時間フルコミットで働いていたんです」
学生時代はインターンに加え、テーマパークや飲食店でアルバイトをするなど様々な仕事を経験していたという山口さん。しかし、卒業を前にしてふと立ち止まって考えてみた時に、この生活をこれから40年間続けることに疑問を感じたと言います。そこで、社会人になる前に今しかできないことをやろうと決意し、内定を辞退したそうです。
「社会人になったら長期休暇を取得して旅行に行く事は難しい印象がありました。そこで、まずは旅行に行こうと思い、卒業後は初海外・初一人旅でタイに行きました。バックパッカーといえばタイでしょ!みたいな安易な発想で出国したのですが、そこでの経験が今後の人生に大きな影響を与えたなと思っています」
この旅で初めてゲストハウスに宿泊し、様々な国の旅人と交流した山口さん。帰国後は、海外だけでなく日本も見て周る事にしたそうですが、その方法が前代未聞なものでした。
「ただ日本を周るだけでは面白くないと思い、誰もやった事がない事は何かと考え高校時代に通学で利用していたママチャリを使って旅に出ることにしました。東京を出発して、東北の手前から北陸、近畿、東海を回り、約1ヶ月半で3000キロ程の距離を自転車で漕ぎ続けました」
この旅でもゲストハウスに滞在した山口さん。1日平均100kmの道のりを自転車で走り、ヘトヘトになりながらゲストハウスに到着すると、初めて出会う旅人や宿主が暖かく迎え入れてくれる。そんな経験をすることで、いつしか自身でもゲストハウスを運営したいという気持ちが強くなったとのことです。そして旅が終わると「将来的なゲストハウス運営」を軸に、そこから逆算して自身の最初のキャリアをどうするかを考えながら就職活動を開始したと言います。
「旅館やホテルなども就職先として考えましたが、ベストな選択なのかは分かりませんでした。そんな時に、クライアントが観光地や宿泊業で、色々なホテルや旅館に関われるグッドマンサービスを見つけたんです。なので、最初はゲストハウス運営のために、施設経営のノウハウを身に付けたり、コネクション作りなどができればと思っていました」